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新年、あけましておめでとうございます。
謹んで新春のお慶びを申し上げます。
昨年は大きな混乱と恐怖が覆った一年でした。
残念ながらまだ終わっておらず、むしろ
日々よくない方向性のニュースといろいろなことが
分断されていくような胸の痛む感覚もございます。
働き方や人との関係性のあり方なども大きく変化しつつあるように感じます。
弊社や属する業界も様々な形で影響をうけております。
とはいえ幸いにも事業を継続できております。
それは関係各社様、スタッフ、仲間達そしていつもTVや配信でご視聴くださったり、
映画館まで足を運んでご覧いただいたり、評価、楽しんでくださる方たちの
お陰さまでございます。
それ以外の何者でもないという痛感と感謝の気持ち、
常々、抱いておりますが今日、改めて申し上げたいです。
世界の情勢としてはまだまだ油断はできず
今後も会社、個人も継続して予防や対策に取り組んでいく姿勢です。
仕事の進め方や関わり方なども微力がゆえに
関係各社様や世の中の常識や科学的知見に柔軟に波に合わせていこうと思っております。
山路を登りながら、こう考えた。智には働けば角が立つ。
上に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。
住みにくさが高じると、安いところへ引越たくなる。
どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。
人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。
やはり向こう三軒両隣りにちらちらするただの人である。
ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。
あれば人でなしの国へいくばかりだ。
人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。
越す事のならぬ世がすみにくければ、
住みにくいところをどれほどか、くつろげて、束の間の命を、
束の間でも住みよくせねばならぬ。
ここに詩人という天職が出来て、ここに画家という使命が降る。
あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊い。
夏目漱石 『草枕』
私個人は逆境や本番に強く、困難に際して燃え上がるタイプの人間です。
自粛期間中は当時は弊社スタッフも在籍しておらず、郊外型の自宅兼作業場を生かし
持てる時間のその殆どを手元にあった作品に費やしました。
今の自分のもつ全てを注ぎ込むこと。この姿勢は常日頃、どんな作品へも変わりませんが
自粛期間中合わせてスタジオ作業が延期されていた作品に手をかけ続けるという
得難い経験をしました。通常ですとミックス作業が実質の締め切りとなりますので
手をかけ続けるということは、なかなか起こり得ないことなのです。
『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』はロングランで
上映が続いておりますが、そんな期間中にも手がけていた作品の1つです。
私の家族の友人で作品をみてくださった方から、
作品を楽しみ深く味わっていただいたお声をいただく機会が最近ありました。
作品に参加できたこと自分にできることがあったことに大変感謝しております。
いっときでも夢中になって楽しめる娯楽体験へお力添えをする。
それしか弊社、私、できないのがお恥ずかしいところではあるのですが、
たったそれだけのことを愚直に極めたい。癒しだったり、笑いだったり、楽しみだったり、
息抜きだったり話題であったり、何か、感情を揺さぶって、現しの世の中での苦しさや、
ちょっとツラくて嫌になってきちゃったな、、などということを少しでも
和らげたり、忘れさせる。
今年も良いコンテンツたくさん創って楽しんでいただきたい!
そんな想いを抱いております。
どうか皆様、お身体を、お心を健やかにご自愛くださいまして
実りある新しい年になることを心から祈念いたします。
株式会社オトナリウム 代表 倉橋裕宗 でした。
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